無人店舗研究所 UNMANNED RETAIL LAB

2026年秋オープンの注目無人店舗11選|駅・オフィス・カフェ・ジム・古着・喪服レンタルの新店から読む参入のヒント

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無人店舗の新規出店は、いまや無人コンビニだけの話ではなくなりました。2026年9月から10月にかけて開業した店や、開業予定として発表された店を拾うと、鉄道駅の改札内、企業の本社オフィス、ワークスペース型のカフェ、24時間ジム、古着店、さらに喪服のレンタルまで、業種の幅が広がっています。どの店も、人を常駐させない前提で、立地と利用シーンを絞り込んでいます。

本記事では、公式リリースや企業の発表で開業日と運営の仕組みを確認できた2026年9月から10月の新店の中から、業種と立地の異なる11件を選び、速報形式で整理します。同じ日に同じ会社が開いた2店は1件として紹介しています。営業の終わりが決められている期間限定の店や、既存店の無人営業への切り替えは常設の新店ではないため件数に含めず、店舗ではない入店方法の更新とあわせて、後半の章で「あわせて押さえたい動き」として取り上げます。情報は2026年10月24日時点のもので、記事中の開業日は各社が発表した日付です。

駅・オフィスの新店|限られた区画に、利用者に合わせた入口で置く

駅・オフィスの新店 限られた区画に、利用者に合わせた入口で置く

鉄道駅とオフィスは、毎日一定の人の流れがある一方で、売場を広く取れない場所です。ここでは2店を取り上げます。どちらも小さな区画に収まる仕組みを選んでいますが、入店や会計の方法、つまり利用の入口の設計は、不特定多数が通る駅と、社員が使うオフィスとで分かれています。

KEIKYU PIT 京急ストア浦賀店(京浜急行電鉄・京急本線浦賀駅改札内・2026年9月1日)

京浜急行電鉄が京急本線浦賀駅の改札内に開いた、京急線内で初めての無人決済店舗です。店舗の内装デザインを担当したL&Bの発表では、オープンは2026年9月1日10時とされています(株式会社L&B)。店名の「PIT」は、燃料補給や修理の場所を意味する語と、キャッシュレス決済の際の音のイメージを掛け合わせた名前です。

L&Bは、利用の流れを「はいる・えらぶ・しはらう」の3ステップの図で整理し、「会員登録・アプリ不要」「商品は自動で読み取り」「レジでは会計のみ」という特徴を伝える店頭の案内を制作したと説明しています。駅は初めて立ち寄る人も多い場所です。入口で使い方が分かる情報設計を、内装の段階から組み込んでいる点が参考になります。

ローソンS京セラ本社ビル店(KDDI・ローソン・京都市の京セラ本社内・2026年9月1日)

KDDIとローソンは、KDDIの事業所で運営してきたオフィス向けの店舗の知見をもとに、新しい出店モデル「オフィスローソン」を進めています。この店は、そのモデルを他企業のオフィスに初めて出した店舗です。開店は2026年9月1日7時30分で、京セラ本社の食堂がある11階と12階の2フロアに売場を置きます。営業時間は7時30分から20時で土日祝は休業、店舗面積は約89.56平方メートル(約27坪)です(ローソン)。

特徴は、商品棚(ユニット)の単位で設置できる「ユニット型店舗」と、専用アプリで商品をスキャンする「スマホレジ」の組み合わせです。店舗内にレジはありません。発表では、大掛かりな工事を必要とせず、短期間かつ低コストでオフィス内に無人コンビニを設置できるとしています。京セラは本社を「実証フィールド」として提供したと述べており、両社はこうした他企業への展開も通じて、2027年度中の事業化に向けて取り組みを進めるとしています。利用者が本社で働く人に絞られるオフィスでは、専用アプリを前提にした入口も選びやすくなります。オフィスの無人コンビニの例として、ミニストップは、オフィスなどの施設内に置く無人コンビニ「MINISTOP POCKET」の拠点数が、関連サービスの拠点を含めて2026年5月末時点で2,200拠点となり、前年同期より20%超増えたと、2026年7月8日付の決算短信(英訳版)で述べています(ミニストップ)。

無人カフェ|ドリンク1杯で席を貸す「セカンドデスク」型の出店が続く

無人カフェ ドリンク1杯で席を貸す「セカンドデスク」型の出店が続く

この秋の新店で数がそろったのが、無人カフェ「セルフカフェ」です。ウッドデザインパーク(名古屋市)が運営し、2026年9月12日から10月3日にかけて、東京・千葉・大阪・名古屋で4店を開業しました。4店とも、会員登録やアプリは要らず、店内でドリンクを購入すればそのまま席を使える仕組みです。

セルフカフェ千歳烏山店(ウッドデザインパーク・東京都世田谷区・2026年9月12日)

東京都世田谷区南烏山の池田ビル3階に、2026年9月12日のグランドオープンと発表された、同社にとって世田谷区で初めての店舗です。京王線の千歳烏山駅から徒歩2分で、営業時間は5時から25時、席数は45席です(ウッドデザインパーク)。朝早くから深夜まで開け、学生の自習や社会人のリモートワークの拠点として使ってもらう狙いです。

セルフカフェフィールズ南柏店(ウッドデザインパーク・千葉県柏市・2026年10月1日)

千葉県柏市南柏中央のフィールズ南柏モールⅡ3階に、2026年10月1日のグランドオープンと発表された店舗です。営業時間は10時から20時、席数は37席で、決済はキャッシュレスのみです。ドリンクを1杯購入すれば、時間の制限なく席を使えます(ウッドデザインパーク)。

同社はこの店を「ベッドタウンの新しいセカンドデスク」と位置づけています。南柏駅から徒歩1分の商業施設の中に置き、学生の自習や社会人のリモートワークの場として使ってもらう狙いです。

セルフカフェ大阪駅前第4ビル店(ウッドデザインパーク・大阪市北区・2026年10月2日)

2026年10月2日、大阪駅前第4ビル1階に開業しました。大阪メトロ谷町線の東梅田駅南改札から徒歩約1分で、地下街に直結しています。営業時間は7時から23時45分、34席すべてに電源があり、高速Wi-Fiも使えます(ウッドデザインパーク)。

同社は、雨の日も地下街から濡れずに行ける点を打ち出しています。オフィスの多い梅田・北新地エリアで、「電源のある席がなかなか空いていない」「カフェで長居しづらい」といった声に応える狙いです。

セルフカフェ高畑店(ウッドデザインパーク・名古屋市中川区・2026年10月3日)

2026年10月3日、名古屋市中川区高畑に開業しました。名古屋市営地下鉄東山線の高畑駅と八田駅から徒歩5分で、営業時間は6時から24時、席数は42席です。名古屋市内で約30店舗を展開する同社にとって、中川区への出店は初めてです(ウッドデザインパーク)。

開業後の様子も発表されました。オープンから約2週間で利用は日を追うごとに伸び、10月の3連休のうち10月12日はオープン以来もっとも利用の多い日になったとしています。具体的な利用者数は示されていませんが、開業直後の傾向を2週間の時点で公表している点は、出店後の様子を知りたい人には手がかりになります。

無人ジムと無人古着店|24時間開く店を、生活圏に置く

無人ジムと無人古着店 24時間開く店を、生活圏に置く

ジムと古着店は、入退店をスマートフォンやLINEで管理する運営です。どちらも24時間365日営業で、利用者が自分の都合のよい時間に来店できる点が共通しています。

ECOFIT24 東鷲宮店(エーイーシー・埼玉県久喜市・2026年10月13日)

エーイーシー(名古屋市)が展開する24時間ジムECOFIT24は、2026年10月13日に埼玉県久喜市桜田で「東鷲宮店」をグランドオープンすると発表しました。全国71店舗目で、JR東鷲宮駅から徒歩2分、マシンは30台以上、24時間365日営業で月額は2,980円(税込3,278円)です(エーイーシー)。

同社はフランチャイズ向けのページで、ECOFIT24を「無人運営」のジムとして紹介し、オーナーを募集しています(エーイーシー)。入退館は会員のスマートフォンで行います。無人ジムの費用の考え方は、無人フィットネスジムはなぜ成立するのか?驚異の固定費構造と行動変容の分析でも扱っています。

ECOFIT24 熊本水前寺店(エーイーシー・熊本市中央区・2026年10月19日)

続いて2026年10月19日に、熊本市中央区上水前寺で「熊本水前寺店」のグランドオープンが発表されました。全国72店舗目で、熊本県庁の近くに位置し、マシンは35台以上、24時間365日営業です(エーイーシー)。

ECOFIT24 岡崎西店(エーイーシー・愛知県岡崎市・2026年10月26日予定)

さらに2026年10月26日10時に、愛知県岡崎市大和町で「岡崎西店」をグランドオープンすると発表しました。10月24日時点では開業前でした。全国73店舗目で、累計会員数は5万人を突破したとしています。営業時間は24時間365日、トレーニングマシンは40台以上、無料駐車場は18台です(エーイーシー)。約2週間で3店の発表が続き、マシンの台数は30台以上、35台以上、40台以上と店ごとに異なります。

古着屋NOTIME 長野店(AVEND・長野県長野市・2026年9月19日)

AVEND(東京都新宿区)は、長野市大字北尾張部に24時間365日営業の無人古着屋「NOTIME(ノータイム)」を2026年9月19日にオープンすると発表しました。同社の調べ(2026年5月時点)では、長野市で初めての無人古着店です(株式会社AVEND)。

入退店はLINEを使った仕組みで開錠し、会計はセルフレジで済ませます。防犯カメラに加えて入退店の履歴が残る仕組みを採用しています。決済はオープン当初は現金のみで、QR決済などのキャッシュレスには順次対応する予定です。人の目の代わりを、入退店の記録で補う設計です。

非対面レンタル|予約と専用キーで入る無人店舗が、都市部に広がる

非対面レンタル 予約と専用キーで入る無人店舗が、都市部に広がる

物を売るのではなく貸す業態にも、無人店舗が広がっています。急な需要に応える喪服のレンタルで、2026年9月に大阪で2店が同時に開業しました。

喪服レスキュー 京橋店・梅田店(喪服レスキュー・大阪市・2026年9月11日)

喪服レスキューは、大阪の京橋と梅田に新店を同時にオープンし、2026年9月11日から試着予約と店舗営業を始めると発表しました。これで関西5店舗、全国25店舗の体制になります。京橋店の営業時間は6時から24時、梅田店は24時間です(喪服レスキュー)。

同社は、2023年4月時点の自社調べで喪服レンタル業界初の無人店舗型サービスとしており、スマートフォンでプラン選択・予約・決済をして、専用キーで無人店舗に入室する仕組みです。2026年8月には白洋舍との協業を拡大し、全国29拠点でレンタル商品を返却できるようになりました。店舗で受け取るだけでなく、返却できる場所も増やして、利用後の手間を減らしています。

あわせて押さえたい動き|期間限定の実証・既存店の無人化・入店方法の更新

常設の新店ではないため11件には含めませんでしたが、参入を考えるうえで見ておきたい動きが3つあります。

無人決済ポップアップストア(TOUCH TO GO・日比谷花壇・JR東日本商事・JR品川駅構内・2026年10月13日〜18日)

3社は、2026年10月13日から18日まで、JR品川駅構内の臨時ホーム階段脇イベントスペース(約40平方メートル)で無人決済のポップアップストアを開くと発表していました。会期は6日間で、この記事の時点では終了しています。小売業界の人手不足の解消を目指した実証実験で、無人店舗では扱いが難しかった生花や鉄道グッズを、天井カメラと棚のセンサーで手に取った商品を認識する仕組みで販売する計画でした(日比谷花壇)。購入に至らなかった商品の情報まで取得し、棚割りや仕入れの判断に使えるとしています。

三洋堂書店 乙川店(愛知県半田市・2026年9月21日から無人営業)

無人店舗の仕組みを提供するHOUSEIは2026年9月24日、三洋堂書店の乙川店に無人店舗ソリューションを提供したと発表しました。9月21日以降、有人営業は9時から22時、無人営業は7時から9時と22時から24時で、入店には顔認証ソリューション「WelcomID」を使います。これで三洋堂書店の無人営業店は全66店舗のうち40店舗になりました(HOUSEI)。新店を建てずに稼働時間を延ばす選択肢です。

対応クレジットカードのタッチで入店(インタセクト・コミュニケーションズ・2026年11月導入予定)

インタセクト・コミュニケーションズは、ユーシーカードとの連携により、自社が展開するウォークスルー型無人店舗で、対応するクレジットカードのタッチによる入店と自動決済に対応する環境を構築し、2026年11月から導入すると発表しました。アプリのダウンロードや会員登録は要りません(インタセクト・コミュニケーションズ)。

11件の比較表|入口・立地・営業時間を一覧で見る

常設の新店11件を並べると、無人化の「入口」と「立地」の組み合わせが見えてきます。

店舗 開業日(各社の発表) 場所 入店・決済の仕組み 営業時間
KEIKYU PIT 京急ストア浦賀店 2026年9月1日 京急本線浦賀駅改札内 会員登録・アプリ不要、商品は自動で読み取り 記載なし(初日は10時オープン)
ローソンS京セラ本社ビル店 2026年9月1日 京都市・京セラ本社内 専用アプリのスマホレジ 7時30分〜20時(土日祝休業)
セルフカフェ千歳烏山店 2026年9月12日 東京都世田谷区 会員登録・アプリ不要 5時〜25時
セルフカフェフィールズ南柏店 2026年10月1日 千葉県柏市 会員登録・アプリ不要、キャッシュレスのみ 10時〜20時
セルフカフェ大阪駅前第4ビル店 2026年10月2日 大阪市北区 会員登録・アプリ不要 7時〜23時45分
セルフカフェ高畑店 2026年10月3日 名古屋市中川区 会員登録・アプリ不要 6時〜24時
ECOFIT24 東鷲宮店 2026年10月13日 埼玉県久喜市 スマートフォンで入退館 24時間365日
ECOFIT24 熊本水前寺店 2026年10月19日 熊本市中央区 スマートフォンで入退館 24時間365日
ECOFIT24 岡崎西店 2026年10月26日(予定) 愛知県岡崎市 スマートフォンで入退館 24時間365日
古着屋NOTIME 長野店 2026年9月19日 長野県長野市 LINEで開錠、セルフレジ(当初は現金のみ) 24時間365日
喪服レスキュー 京橋店・梅田店 2026年9月11日 大阪市 スマートフォンで予約・決済、専用キーで入室 京橋6〜24時、梅田24時間

まとめ

2026年秋の無人店舗の新店は、立地ごとに運営の型が分かれています。駅では会員登録やアプリを求めない入口、社員だけが使うオフィスでは専用アプリのスマホレジが選ばれていました。カフェは会員登録を省いてドリンク1杯で席を貸し、ジムと古着店はスマートフォンやLINEで入退店を管理して24時間開けています。古着店は、入退店の履歴を残して人の目の代わりにもしています。喪服のレンタルでは、スマートフォンでの予約・決済と専用キーで入室を管理し、返却できる場所も広げていました。

新たに参入を考える場合は、まず自社の商材が「手に取って選ぶ」ものか、「滞在する」ものか、「借りる」ものかで型を絞り込むのが近道です。そのうえで、入口の認証、防犯、返却や補充といった人の手が残る工程を、開業前に洗い出しておくことが判断の土台になります。今回の11件は、いずれも開業日と運営の仕組みを公表しており、その設計を見比べる材料になります。

【出典・参考】

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