無人化による問題解消の可能性とは?導入が進んでいる業種や課題
近年あらゆる場面で耳にする機会が増えている「無人化」という言葉。
無人化とは、従来であれば人間が対応していた業務を機械やシステムが担うことで無人対応が行えるものです。
少子高齢化による人手不足の深刻化や、働き方改革による業務時間の縮小などから、私たちの身近な店舗や企業、サービスが利用できなくなる可能性もゼロではありません。
なかには、無人化は難しいと諦めている経営者もいるかもしれませんが、さまざまな業種が無人化実現に向けて取り組みを進めています。
今回は、無人化によって解消される可能性がある問題点や、すでに導入されている業種、課題などについて見ていきましょう。
無人化は問題を解消できる可能性を秘めている
無人化システムを企業や店舗に導入することで、現在抱えているあらゆる悩みや問題を解消に導いていける可能性があります。
- スキル合わせた人材を適切に活用したい
- 求人を出しても応募者が少なく希望に合う人材がいない
- 目視以外にもセキュリティ対策を導入したい
このような悩みや希望のある経営者や人事部は、無人化システムの導入を検討してみましょう。
それぞれ、無人化システムを導入した際の変化を紹介します。
人材を適切に活用できる
店舗や企業にとって、人材活用は組織全体のパフォーマンスを高めるための重要なポイントです。
個々のスキルや能力などを適切に活かせる部署や役職、業務に配置できれば、従業員のモチベーション向上にも繋がります。
しかし、人材の足りない業務があった場合、スキルに合っていない従業員を配置しなければならない場面もあるでしょう。
配置した従業員の苦手分野だった場合、さまざまなトラブルが予想されるだけではなく、モチベーションの低下にも繋がってくるため、メリットはありません。
このようなときに無人化システムを導入すると、従業員を無理に配置する必要がなくなります。
本来配置したい業務に適切な人材を配置できるようになるのは、双方にとって魅力的です。
人手不足の解消
無人化システムを導入することで、人手不足の解消にも繋がってきます。
2024年現在、日本では少子高齢化により人手が足りない企業や店舗が少なくありません。
求人を出しても、条件や労働環境などのニーズが合わず応募者が想定よりも少ないといったケースもめずらしくはないのが実情です。
しかし、人手が足りないままだと業務に支障をきたすため、既存の従業員で業務を分担するなどの対応が必要になり円滑な経営運営が難しくなる場合もあるでしょう。
人手が足りない業務に無人化システムを導入すれば、多くの問題を解消に導くことが可能です。
例えば、飲食店の配膳やオーダー、コンビニのレジなどは、無人化システムによってサービスを継続できます。
人手の足りない業務は、人間ではなく無人化システムに頼る時代が来ていると考えておきましょう。
効率的な業務が可能になる
無人化システムを導入することで、従来の業務を改善する機会が生まれます。
従業員が手作業で行っていた業務を無人化システムに任せることで、逆に効率的に運営できるようになる可能性もあるでしょう。
また、従業員によるヒューマンエラーについても無人化システムを導入することで未然に防ぐことができます。
例えば、レジのおつりの間違いはセルフレジによる自動計算システムによって解消できます。
24時間営業のコンビニやスーパーであっても、レジが無人で運営できれば従業員は休憩や睡眠を取ることも可能です。
清掃や受付なども、無人化システムによって効率的な業務が行えるようになり、従業員も他の仕事に集中できるでしょう。
高度なセキュリティ対策
無人化システムを駆使することで、店舗などのセキュリティ対策を強化できます。
顔認証システムや動体検知システムなどを搭載した防犯カメラや会計を済ませないと退店できないセキュリティゲートなど、さまざまなセキュリティシステムが開発されているため、ニーズに合わせて導入可能です。
窃盗や不審者の侵入の防止など、従業員が対応するには危険なケースも少なくありません。
従業員の身を危険から守るためにも、高度なセキュリティ対策は積極的に取り入れましょう。
無人化が進んでいる&可能性のある業種
現在、無人化が進んでいる業種や可能性のある業種が増えています。
コンビニやスーパーのレジ、エステサロン、飲食店、警備、スポーツジム、受付、農業などがその代表例です。
これらの業種では、技術の進歩により無人化や自動化などが進み、効率化やサービスの向上が期待されています。
コンビニやスーパーなどのレジ
コンビニやスーパーなどのレジでは、セルフレジやセミセルフレジといった無人化システムの導入が進んでいます。
セルフレジやセミセルフレジにより、レジ業務の従業員は最小限で済むため、品出しなど他の業務に集中することが可能です。
また、顧客の待ち時間なども縮小され、従業員とのコミュニケーションも必要なくなるため、効率良く買い物ができます。
今後は、人手不足が深刻化している地方などで完全無人のコンビニ店舗も普及していく可能性もあり、実際に大手コンビニエンスストアでは実現に向けて調整が進んでいるようです。
エステサロンや脱毛サロン
エステサロンや脱毛サロンは、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、無人店舗に需要が高まりました。
どちらもプロ仕様のマシンを使って自分で施術でき、セラピストとコミュニケーションを取る必要もないため、気軽に利用できると人気です。
24時間営業の店舗もあり、忙しくてエステサロンや脱毛サロンに通うことを諦めていた方も利用しやすくなっています。
飲食店
ファミレスなどの飲食店では、配膳ロボットやタブレットオーダー、セルフレジ、ドリンクバーなど、さまざまな無人化システムが導入されています。
時間帯によっては従業員が足りなくなることの多い店舗であっても、無人化システムが業務を担ってくれることで負担を軽減することが可能です。
フィットネスジム
無人店舗のフィットネスジムは、トレーナーが常駐していない新しいスタイルとなっており、24時間気軽に利用できるところが人気です。
トレーニングマシーン以外にも、セルフ脱毛や歯のホワイトニング、ネイルなど、さまざまなサービスも利用できる店舗もあり、幅広い方のニーズに応えられます。
本格的な運動は抵抗のある方も、無人ジムであれば5分程度の軽いトレーニングでも人目を気にせず利用可能です。
受付
企業や飲食店、結婚式など、受付が必要な場面にも、無人化システムが活躍します。
手軽に導入できるタブレットによる受付システムから、AIロボットのような取引先にDX化をアピールできるようなものまで、さまざまな形態から選択可能です。
農業
人手不足が深刻化している業種として挙げられる機会が多い農業も、徐々に無人化システムの導入が進んでいます。
無人トラクターやドローンによる農薬散布、ロボット草刈り機など、農業で必要な作業を無人化システムに任せられるため、重労働からも解放されると注目されています。
農林水産省においても、農業の人材不足や高齢化などを問題視しており、無人化システムを取り入れた「スマート農業」の普及に力を入れているため、今後も発展していくでしょう。
無人化を進める上での課題とは
無人化はメリットが多い反面、顧客にとっては不便に感じたり不満に感じたりする場合も少なくありません。
今後、無人化システムを導入したいと検討する際は、あらゆるトラブルを想定して対応方法を決めておきましょう。
高齢者や障害者などへの配慮が必須
高齢者や視覚障害者、聴覚障害者、身体が不自由な方、子どもなど、無人化システムの利用が難しい顧客も少なくありません。
完全無人化にする場合は、誰しもが利用しやすいような案内などを徹底する必要があります。
また、いつでもサポートできるように従業員の配置が必要になる場合もあるため、どのように対応するか事前に決めておくことが大切です。
サービス低下と感じる顧客もいる
無人化を好む顧客がいる一方で、従業員とのコミュニケーションを楽しみにしている顧客も一定数います。
このような方は、飲食店やレジなどの会話がなくなることで、サービスが低下したと不満に感じるでしょう。
ただし、一定したサービスを提供できるようになるのも無人化システムの良い部分でもあります。
より多くの顧客に満足してもらえるように、無人化システムへの理解を深めるような案内を継続したり挨拶を徹底したりなど、適切な対応を心がけてみてください。
まとめ
無人化システムは、今後の私たちの生活にとってなくてはならないものになる可能性が高いものです。
2024年現在、まだ無人化システムが浸透していないような業種であっても、人材不足や高齢化による問題解消やセキュリティ対策などから導入が進む可能性もあるでしょう。
従業員がいて当たり前だった業種も、時代に合わせて変化していきます。
経営者や従業員にとっても、無人化システムは経営を向上させるために必須になっていくことでしょう。
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