クリニックの受付が無人化へ!メリットや注意点は?
さまざまな場面で利用する機会が増えた無人化システムが、医療業界でも導入の波が押し寄せており、クリニックの受付もその一環として無人化が進められています。
例えば、自動受付システムの導入により、患者はスムーズで迅速な受付を済ませられ、受付スタッフも業務効率が向上します。
しかし、無人化システムではシステム障害のリスクや患者の満足度、セキュリティーに関する課題も存在するのが実情です。
そのため、クリニックの受付を無人化するためには慎重に検討する必要があり、患者と受付スタッフの双方にとって安心できる環境を確保することが大切になってきます。
この記事では、クリニックの受付の無人化システムについて背景やメリット、導入例、課題について紹介するので参考にしてみてください。
クリニックにおける受付の役割とその重要性
クリニックの受付は、患者が来院して最初に利用する医療サービスです。
受付スタッフは患者の受付をするだけではなく、問診表の記入の依頼や電話の問い合わせなどの患者対応、予約管理やカルテ管理、レセプト業務、会計など、多岐にわたる業務を担当しています。
受付業務は、クリニック全体の好感度や患者からの信頼性を高めるために重要な役割を果たしているのです。
「受付はクリニックの顔」といっても過言ではないでしょう。
無人化システムの進化がクリニックの受付にもたらす変化
近年の無人化システムの進化は、クリニックの受付業務に大きな変化をもたらしています。
受付自動システムの導入により、受付業務の効率化や患者の待ち時間の短縮が実現されつつあると言えるでしょう。
また電子カルテの導入やオンライン予約システムの普及により、患者と受付や医療スタッフのコミュニケーションが円滑化され、医療サービスの提供が向上すると予想できます。
クリニックは、さまざまな無人化システムや自動システムを活用することで、患者の満足度が高まっていくでしょう。
クリニックの受付無人化システムの具体例
実際にクリニックに導入されている受付の無人化システムの具体例は以下のものが挙げられます。
- 来院時の受付
- 受付番号の発行
- 次回の診療予約
- 診察室への呼び出し
- 電子カルテ
- 会計
現状、人手が足りていない受付業務や効率性を高めたい業務などに、無人化システムの導入を検討してみてください。
来院時の受付
患者は来院時に自動受付システムを利用して、無人で受付を済ますことができます。
自動受付システムは、端末画面の表示に従って基本情報や来院目的を入力し、必要な情報を登録することが可能です。
自動受付システムに患者がクリニックへ申し伝えできる機能もあれば、待ち時間を短縮し受付スタッフの負担も軽減できます。
特に、再診の受付に関しては自動受付システムを導入することで受付の混雑を解消に導きます。
規模によりもますが、複数台の自動受付システムを導入しているクリニックも増えており、患者の利便性も高まっています。
受付番号の発行
自動受付システムにより患者へ受付番号が発行され、待合室での順番待ちや診察室への案内がスムーズになります。
受付番号は、スマートフォンのアプリやLINEなどと連携して順番が来るまでの時間や人数、現在呼び出し中の受付番号も確認できるため、患者は外出して用事を済ませることも可能です。
次回の診療予約
患者は次回の診療予約をする際、受付ではなく診療予約システムを利用して手軽に予約が取れるようになります。
クリニックに診療予約専用のシステムが設置されていたりアプリを使ったりなど、各システムによって方法は異なります。
患者も、スケジュールを確認しながらクリニックの予約状況と照らし合わせて簡単に予約でき、電話が繋がらなくて予約が取れないといったストレスも解消されるでしょう。
診察室への呼び出し
受付後、患者は受付番号の呼び出しが行われる画面や音声案内、スマートフォンのアプリ通知に従って診察室に移動します。
診察室への呼び出しをする無人化システムにより、患者はより効率的に診察を受けられます。
また、受付や医師、看護師も患者の来院状況をリアルタイムで把握し、適切に対応することが可能です。
電子カルテ
2025年4月から開始予定である電子カルテシステムは、患者の医療情報をオンラインで管理し、クリニックのスタッフが効率的に情報共有できるシステムです。
患者の診療履歴、検査結果、処方箋などの医療データがデータベース化され、オンラインで簡単にアクセスできます。
本来、転院する際に必要な紹介状も電子カルテシステムによってオンライン上でやり取りすることで、よりスムーズに診察を受けることも可能になるでしょう。
電子カルテの導入により、医療品質の向上と患者へのより良いケアの実現が期待できます。
会計
自動受付システムに統合された会計システムは、患者が診療を終えると自動受付システムが自動的に診療内容に基づいた料金を計算し、患者の希望する支払い方法で会計をするものです。
患者は現金、クレジットカード、デビットカードなどの支払い方法を選択し、支払いが完了すると領収書が自動的に発行されます。
これにより、受付窓口での支払い待ちや会計ミスのリスクが軽減されます。
また、クリニックにおいても適切な会計管理が可能になり、効率的に業務を進めることができるでしょう。
クリニックの受付を無人化にするメリット
クリニックの受付を無人化にするメリットには、以下のものが挙げられます。
- 受付業務のスキルが一定する
- 無人化できない業務に集中できる
- 人手不足を解消できる
それぞれのメリットの内容について見ていきましょう。
メリット1.受付業務のスキルが一定する
自動受付システムなどによって受付業務を無人化することでスキルが一定化されます。
従来の受付スタッフによる対応は、スタッフのスキルや経験にばらつきがあり、対応の質や速度に差が生じることがありました。
一方、自動受付システムでは、プログラムによって一貫したルールに基づいた業務が行われます。
このため、患者が自動受付システムを利用する際も、ばらつきのないサービスを受けられるため、信頼性の高い対応が可能です。
メリット2.無人化できない業務に集中できる
受付を無人化で運用できれば、高齢者や障害者への対応など人が対応するべき他の業務に割ける時間が増えます。
特に高齢者や障害者の方々に対して、より丁寧なサポートを提供できればクリニックへの安心感や信頼性を高めることが可能です。
メリット3.人手不足を解消できる
受付業務に係るスタッフの数を減らせるので、患者への対応が追い付かず待合室が混雑して悩んでいるクリニックなどにとって無人化システムは重宝します。
忙しい時間帯や緊急時に受付スタッフが不足していても、自動受付システムが患者を迅速かつ正確に対応できます。
クリニックの受付を無人化にしたときの課題点は?
クリニックの受付に自動受付システムなどを導入して無人化を進める際、メリットだけではなく想定できる課題についても理解しておくことが大切です。
今回は、主に考えられる課題点を2つ紹介するので、導入後スムーズに対応できるようにしておきましょう。
システム障害やトラブルへの対応
自動受付システムの導入に伴い、システム障害やトラブルが発生した際の対応は重要な課題のひとつです。
何らかの原因でシステムダウンが生じた場合、患者の受付や予約管理などが滞る可能性があります。
自動受付システムが使えなくなることも想定して、受付スタッフには研修などを定期的に行う必要があるでしょう。
利用者の安心感の確保
自動受付システムの導入により、一部の利用者は受付スタッフと直接コミュニケーションが取れなくなることに不安を覚える可能性があります。
特に高齢者や未成年、障害のある方などにとっては、対面での受付が安心感を与える場合も少なくありません。
そのため、患者に安心感を与えるためには、自動受付システムの使いやすさや案内を充実させることが重要です。
まとめ
クリニックの受付を無人化する自動受付システムなどは、患者と医療スタッフの両方に多くのメリットをもたらします。
自動受付システムにより、来院時の受付や受付番号の発行、次回の診療予約、診察室への呼び出しなど、受付で必要な業務が効率的になります。
患者は、受付時の待ち時間の短縮や混雑を割けることができ、スムーズに診察を受けられるようになるでしょう。
また、受付スタッフや医師、看護師も業務に集中しやすくなり、受付スキルが一定に保たれたり人手不足が解消したりなどの効果も期待できます。
しかし、システム障害やトラブルへの対応、患者の安心感の確保など、無人化には課題もあるため、対応方法などを考えておくことが大切です。
患者と受付スタッフの双方が安心して利用できる環境を整えられるように、さまざまなシステムを比較検討してみてください。
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