駐輪場を無人化にする理由とはメリットや課題を紹介
無人化駐輪場は、放置自転車や盗難など自転車の駐輪問題を解決に導くひとつの鍵です。
また、さまざまな無人化システムの発展により、24時間安全に利用できるだけではなく手続きの簡素化も可能となり待ち時間も減らせます。
しかし、駐輪場への無人化システム導入には課題が残っていることも実情です。
セキュリティやプライバシーの懸念、地域ごとのニーズの違いなど、様々な要素を考慮していかなければなりません。
今回は、無人化駐輪場の仕組みやメリット、課題などについて詳しく解説します。
無人化駐輪場とは?その背景と現状
無人化駐輪場とは、管理する人が常駐していない無人の駐輪場のことです。
従来であれば、シルバー人材などを活用して自転車の出し入れや清算などを管理していました。
人が管理しているのであれば安心かと思いきや、利用者による自転車の取り間違いや盗難などは100%防げるものではありません。
夜間の運営も、シルバー人材を利用している駐輪場の場合は難しいものです。
まずは、都市部で問題になっている駐輪場の問題と無人化が進む理由を見ていきましょう。
都市部の駐輪場における問題点とは
自転車の利用者が多い都市部では、適切なスペースを確保することが難しく、駐輪場不足が深刻な課題となっています。
駐輪場が足りないことが原因となり、不適切な場所への違法駐輪や駐輪スペースの過密状態が発生。
溢れかえった自転車により、景観や歩行者の安全に悪影響を及ぼしているのが現状です。
さらに、人が管理している駐輪場では人手不足や労働時間などの問題もあり、効率的に運営できないケースも少なくありません。
このような駐輪に関するトラブルを解消する鍵として、無人化駐輪場が注目されています。
無人化駐輪場は、自動システムを活用して効率的かつ安全な駐輪場の運営を実現するだけではなく、駐輪場不足の解消や街の美化、安全性の向上などが期待されているのです。
駐輪場の無人化が進む理由とは?
無人化駐輪場の導入が進む背景には、人手不足と利用者のニーズに合うことが挙げられます。
まず、人手不足は現代社会において深刻であり、駐輪場だけではなくさまざまな職業で人の代わりに働ける無人化システムの導入が進んでいるのが実情です。
特に、24時間自由に出し入れできる運営が求められる都市部の駐輪場では、無人化システムを導入することによって人手不足を解消し人件費削減にも効果を発揮します。
次に、利用者のニーズに合っていることも理由に挙げられます。
無人化システムを導入することで、利用者は24時間スムーズに駐輪場を利用できるようになり、待ち時間や利用するための手続きなどの手間を削減することが可能です。
無人化システムによって、利用者はよりスムーズに駐輪場を利用でき、時間を無駄にせずに済みます。
さらに、無人化駐輪場は、スマートフォンアプリなどから駐輪場の利用状況の管理や空き状況の確認がリアルタイムで行えるところも嬉しいポイント。
無人化駐輪場は、現代の駐輪場利用者のニーズに合うシステムとして注目されているのです。
無人化駐輪場の仕組みや便利なシステム
無人化駐輪場は、駐輪場の問題点やトラブルの解消、利用者のニーズに合うシステムであることが分かりました。
従来のような、管理人がいる駐輪場とは利用方法が異なる点もあるため、基本的な仕組みや無人化駐輪場ならではの便利なシステムを紹介します。
無人化駐輪場を利用する自転車の登録方法
無人化駐輪場の利用者は、事前に自転車を登録して各駐輪場の専用アクセス方法を用いて利用します。
登録手続きは簡単で、例えば以下のような流れが挙げられます。
- スマートフォンで申し込み
- WEB決済を済ませる
- QRコードが発行される
- 駐輪場でQRコードを読み込み
- 発行された認証シールを自転車に貼って駐輪
また、無人化駐輪場によっては専用ラックに自転車を乗せ、出庫する際は駐輪位置番号を無人精算機に入力して清算するシステムも一般的です。
これらの駐輪方法は、駅前の駐輪場をはじめスーパーやクリニック、店舗などの各施設でも導入されています。
初めて利用する方は公式サイトで事前に確認しておくと安心ですが、当日駐輪場に到着してから設置されている利用方法に従えば問題ありません。
顔認証システムによって利用がスムーズに!
新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに非接触を求める利用者が増えたため、顏認証システムがさまざまな場所で導入されています。
もちろん、無人化駐輪場も例外ではありません。
あらかじめ登録された利用者の顔をスキャンすることで無人化駐輪場への入場が許可されます。
登録時はマスクを外した状態が求められますが、登録後はマスクを着用していても認証されるシステムも開発されており、急いでいるときもスムーズに利用できるでしょう。
スマホで駐輪場の状況を把握
無人化駐輪場では、駐輪場の空き状況や混雑状況などを知らせるシステムを導入することで、アプリや公式サイトを通じてスマホで利用者が把握できます。
普段と異なる場所に駐輪したい場合も、アプリや公式サイトを見れば把握できるため、直前で停められないと慌てなくて済むのも魅力的です。
スマホで利用したい駐輪場の状況を把握できると、利用者の安心感に繋がるでしょう。
無人化駐輪場のメリットと課題
利用者にとって利便性が高まる要素の多い無人化駐輪場ですが、メリットだけではなく課題も残されています。
今後、さらに駐輪場を含めた無人化システムの開発が進んでいくと課題点もクリアできるでしょう。
今回は、主なメリット2つと課題点を1つ紹介します。
メリット①24時間自由かつ簡単に駐輪場を利用できる
無人化駐輪場は人が管理する必要がないため、利用者は通勤時間や買い物の時間など24時間いつでも自由に駐輪できます。
早朝や夜間に自転車を利用する場合も、無人化駐輪場があれば安心して駐輪できる環境を整えることが可能です。
また、利用する際の各種手続きもスマートフォンなどから簡単に行えるため、待ち時間などの短縮にも繋がります。
駐輪場の運営もスムーズになるため、経営者と利用者共に利便性の向上が期待できます。
メリット②コスト削減の効果が期待できる
無人化駐輪場は、従来の管理人が常駐している駐輪場に比べ、運営コストを大幅に削減できるとされています。
まず、駐輪場のコストの大半を占めている管理人の人件費削減が可能です。
また、駐輪場の設備管理費の削減も実現できるとされています。
例えば、顔認証やスマートフォンアプリによって出入りできるシステムが導入されているため、従来のような利用者全てに配布する鍵やパスカードの管理がなくなり、大幅なコスト削減が期待できます。
駐輪場のコストを削減できると、その分利用者の料金も安く抑えられ安価に利用してもらえる点もメリットです。
利用者も安価に駐輪できるところに魅力を感じてリピーターになる確率も高まります。
課題は安全性とプライバシーの対策
無人化駐輪場は、利用者を守るためにセキュリティとプライバシーの保護が課題となります。
監視カメラやセンサーを用いた不正行為の防止だけではなく、顔認証やスマートフォンアプリによるアクセス管理は個人情報漏洩を防ぐ対策が必要です。
適切なセキュリティ対策と共に、利用者のプライバシー保護の対策が徹底されていることで、無人化駐輪場の普及が促進されます。
また、キャッシュレス決済やQR決済などが行えない方やスマホを持っていない方が利用できるようなシステムの構築も課題になってくるでしょう。
まとめ
無人化駐輪場は、都市部で深刻になっている駐輪問題を解決に導きます。
顏認証システムやアプリを利用した手続きなどの無人化システムにより、スムーズに手続きできるのも従来の駐輪場との違いです。
また、24時間自由に利用できたりコスト削減したりなどのメリットを利用者と経営者の双方が得られます。
しかし、セキュリティ対策や個人情報漏洩の対策、決済方法など、課題が残っているのも事実です。
課題をひとつずつクリアしていくことで、無人化駐輪場の普及がスピードを上げて進んでいくでしょう。
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