無人化による課題とは?無人化が進んでいるサービスやメリットにも注目
さまざまな店舗で進んでいる無人化は、課題が多くあるため、導入する前に慎重に検討する必要があります。
しかし、無人化はメリットも多くあり店舗側だけではなく利用者にとっても魅力的なシステムであることも事実です。
無人化システムによって人件費などの経費削減や人材不足の解消など、今店舗が抱えている問題を解消できるケースも多くあります。
今回は、無人化による課題と共に、無人化が進んでいるサービスやメリットも一緒に紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
無人化が進んでいるサービスとは?
日本国内では、従業員の代わりに無人化システムが業務を担っている店舗が増えています。
実際に無人化が進んでいるサービスや既に無人化で運営されている無人化例を見てみましょう。
- コインパーキング
- コインランドリー
- コンビニエンスストア
- 食品スーパー
- 脱毛サロン
- エステサロン
- スポーツジム
- コワーキングスペース
- 無人販売店
- 無人野菜販売所
すでに私たちの生活に馴染みのある、コインパーキングやコインランドリーも運営を無人化できているサービスです。
コンビニエンスストアや食品スーパーでは、セルフレジを導入している店舗が増えています。
脱毛サロンやエステサロン、スポーツジムは、利用者が簡単に扱える脱毛器や美容機器、トレーニングマシーンを導入することで、セラピストやトレーナーがいなくても利用することが可能です。
他にも、リモートで働く方などが利用するコワーキングスペースや餃子や野菜などの無人販売所も無人化サービスとして注目されています。
また、完全無人化ではなく省人化が進んでいるサービスとして、飲食店や農業なども挙げられます。
全ての業務を人間が行う時代から、便利な無人化システムを導入して効率良く運営できる時代へとさらに変化していくでしょう。
無人化による店舗の課題とは
店舗の無人化が進んでいる一方で、課題が多いのも事実です。
主に挙げられる無人化の課題は以下のとおりとなります。
- 初期費用などコストがかかる
- 設置場所や動線などを確保する必要がある
- 利用者のなかには不慣れな方や不便な方もいる
- トラブルが起きても迅速に対応できない場合がある
- サービス低下と捉えられてしまう場合がある
これらは、無人化システムの導入を検討する時点で把握して予算の調整や対策などをしておくことが重要です。
無人化システムを導入してから、想定していた効果を得られず後悔することがないように、慎重に比較検討を重ねましょう。
それぞれの課題について詳しく解説します。
初期費用などコストがかかる
店舗や企業に無人化システムを導入して運営していくためには、まず導入時の初期費用がかかります。
例えば、コンビニエンスストアや食品スーパーで導入するセルフレジは100万円前後が相場です。
セルフ脱毛サロンの脱毛器は100~200万円前後で購入する製品や、月額40,000円などレンタル費用を支払って導入するなどニーズに合わせて検討できます。
他にも、防犯カメラなどのセキュリティー対策を導入するための費用も必要です。
金額や導入方法はさまざまですが、必ず初期費用やランニングコストが発生するため、費用対効果が見込めないケースがあるかもしれません。
設置場所や動線などを確保する必要がある
無人化システムを導入する際に確認しておきたいのが、設置場所や動線です。
例えば、飲食店に配膳ロボットを導入する場合、座席の配置や幅によってはスムーズに動かせない場合があります。
セルフレジや無人販売機なども、従業員と利用客の動線や店舗の設置場所を確保してから導入を検討する方が安心です。
安易に無人化システムを導入して設置できないとなると無駄な費用がかかってしまうため、くれぐれも注意しましょう。
なお、同じ働きをする無人化システムであっても、製品によってサイズなどに違いがあります。
公式サイトなどを確認して、設置できる製品を比較検討してみてください。
利用者のなかには不慣れな方や不便な方もいる
無人化システムは便利に感じる利用者がいる反面、なかには不便に感じる方がいるのも事実です。
例えば以下のような利用者は、1人で無人化システムを利用することに不便さや不安を覚える場合があります。
- 高齢者や子ども
- 視覚障害者や聴覚障害者など
- ケガなどで一時的に身体を動かしにくい方
このような利用者は、従業員に対応してもらうことで安心してサービスを利用できるでしょう。
そのため、完全無人化ではなく省人化を目的に無人化システムを導入した方が利用者のニーズに合う場合もあります。
トラブルが起きても迅速に対応できない場合がある
無人化システムのみで運営している店舗の場合、万引きやシステムの故障などのトラブルが起きても、迅速に対応できない場合があります。
店舗から離れた場所にいる場合、トラブル対応に出向く必要があると利用者に迷惑をかけてしまうことが考えられるでしょう。
トラブルが起きたときに、どのように対応するのかを慎重に検討することが大切です。
サービス低下と捉えられてしまう場合がある
今まで従業員による接客や対応が当たり前だったものが無人化システムに変わると、利用者の中にはサービスが低下したと捉えられてしまう場合があります。
例えば、飲食店での注文が座席のタッチパネルのみの対応になった場合、今までの接客とのギャップに不満に感じる利用者もいるでしょう。
慣れないシステムを使うことに、ストレスを感じたり面倒に感じたりする利用者も一定数います。
さまざまな利用者がいることを念頭において、無人化システムが浸透するまでは案内を継続し、困っている場合はサポートをするなどして理解を得る努力が必要です。
無人化には課題だけではなくメリットもある!
無人化は課題が多いと感じるかもしれませんが、多くのメリットもあります。
課題の内容だけで導入を見送るのではなく、メリットも確認してから検討してみてください。
主な無人化のメリットは以下の通りです。
- 人件費などの経費削減
- 人手不足解消
- 接客などの個人差がなくなる
- 非接触によるサービスが可能
- 防犯対策が強化できる
それぞれのメリットについて解説します。
人件費などの経費削減
人件費などの経費削減は、無人化の主なメリットの一つです。
例えば、従業員への給与や福利厚生、労働保険などの費用は無人化により節約できます。
また、無人化システムやランニングコストは、従来の人件費よりも低く抑えられる場合も少なくありません。
これにより、店舗や企業は業務の効率化を図りながら、コストの削減を実現することが可能となります。
人手不足解消
人手不足解消は、無人化システムを導入する重要なメリットの1つです。
特に人材不足が深刻化している業種や地域では、無人化システムを活用することで業務の効率を高めることができます。
例えば、飲食店の配膳ロボットや食品スーパーのセルフレジシステムが従業員の代わりに業務することで、不足している労働力を補えるため、少ない人手でもより多くの業務を遂行することが可能です。
無人化により、人手不足による業務の滞りやサービス低下を防ぐことができるでしょう。
接客などの個人差がなくなる
接客などの個人差がなくなることも、無人化によって得られるメリットです。
従来の手動による接客では、従業員ごとにサービスの質に差が生じてしまう場合があり、利用者の満足度に影響を及ぼしていました。
しかし、無人化システムは統一された手順に従ってサービスを提供するため、利用者は一貫性のある接客や対応を受けられます。
統一された接客は、いつ来店しても利用者へのサービスの質が落ちることもありません。
また、従業員の研修や教育の負担も軽減されるため、通常業務へ支障をきたすこともなくなるでしょう。
非接触によるサービスが可能
非接触によるサービスの提供が可能となることも、無人化システムの魅力です。
従業員による一般的なサービスでは、利用者や従業員の感染症などの問題が懸念されていましたが、無人化によりそのリスクを軽減できます。
例えば、セルフレジやキャッシュレス決済は、利用者との接触を最小限に抑えることが可能です。
配膳ロボットやタッチパネル注文、セルフ脱毛、無人のスポーツジムなどは、感染症の拡散リスクを最小限に抑えながら、安全で衛生的なサービスを提供できます。
さらに、非接触サービスは利用社も従業員とのコミュニケーションを省いて必要最低限の利用のみで買い物やサービスを受けることが可能です。
待ち時間も短くなり、よりスムーズにサービスを受けられるので満足度の向上も期待できるでしょう。
防犯対策が強化できる
無人化システムを導入することで、防犯対策を強化できます。
例えば、AI搭載の監視カメラやセキュリティーセンサーなどを活用した防犯システムが24時間体制で店内を監視し、不審な動きを検知することが可能です。
経営者にも通知などの知らせが入るため、警察への通報も迅速に行えます。
セキュリティー対策を万全に整えられた店舗では犯罪者も警戒し、万引きなどの犯罪被害を未然に防ぐことも期待できるでしょう。
また、無人化システムによってデータの収集や分析が容易になり、犯罪の予防や事件の解決にも貢献します。
まとめ
店舗に無人化システムを導入して運営する場合、以下のような課題があることが分かりました。
- 初期費用などコストがかかる
- 設置場所や動線などを確保する必要がある
- 利用者のなかには不慣れな方や不便な方もいる
- トラブルが起きても迅速に対応できない場合がある
- サービス低下と捉えられてしまう場合がある
これらの課題は、無人化システムを導入するまえに対策を練っておく必要があります。
無人化に課題が多いのは事実ですが、その一方で人件費などの経費の削減や人材不足の解消、非接触の接客など店舗側と利用者側にとってメリットになる効果も期待できるため、慎重に検討を進めていきましょう。
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